遺言と遺留分について(相模原　司法書士)

遺言の有効性と遺留分の重要性

遺言を有効に成立させるためには、遺言能力が必要です。日本の法律では、15歳以上であれば遺言を作成可能で、自分が誰に何を相続させるかを理解する能力が求められます。特に、認知症などの病状がある場合でも、状況によっては遺言が有効とされることがあります。そのため、遺言作成時に遺言能力があったことを証明できる資料を用意することが重要です。具体的には、医師の診断書や、第三者によるビデオ撮影などが推奨されます。

遺留分侵害とその対策

遺言書において、遺留分を侵害する内容であっても、それ自体が無効になるわけではありません。たとえば、配偶者と子どもがいる場合に全ての相続財産を妻に相続させる遺言書は有効ですが、子どもにとっては遺留分が侵害されるため、紛争の可能性が高まります。このような遺言を作成する際には、特に注意が必要です。

遺留分侵害額請求は現金で行われるため、侵害される側には多めの現金を残すことが望ましいです。また、遺留分を侵害する遺言書を作成する場合は、なぜそのような内容にしたのかを付言事項で説明しておくことで、争いのリスクを低減できます。

さらに、生命保険金や死亡退職金の受取人を遺留分侵害の影響を受ける側に設定することで、現金を確保する手段もあります。これらは特別受益に該当しないため、遺言内容に影響を与えません。

まとめ

遺言を作成する際は、遺言能力の確認や遺留分の理解が重要です。事前に適切な対策を講じることで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。遺言書の作成にあたっては、専門家の相談を受けることをお勧めします。